Vol.12


牛たちの日々の世話は

男たちより女たちのほうが得意?

 みなさん、こんにちは中山敬子です。今秋から中山牧場では、同じ玄海唐津地区で頑張っている畜産農家さんの牛も取り扱うようになりました。どこも頼もしい後継者たちが育って意欲的に牛の肥育に取り組んでいるのですが、その後継者を育てたのも女性たちです。大きな仕事や力仕事は男たちが受け持つのですが、日々のエサやりや体調管理は女たちの仕事、というか女性たちの得意分野。「今日はエサの食いつきがあまりよくないなあ」「ちょっと元気がないけど、風邪ひいたかな?」とまるで子育てをするがごとくきめ細やかな観察眼を働かせることができるのは、やっぱり母である女性たちなんですね。

牛のおならにさえびっくりの義姉も

今ではすっかり牛たちのお母さん。

 サラリーマン家庭で育ったうちの義姉の中山園子は、ここ中山牧場に嫁いできた当初はまるで動物園感覚で「わあ、牛がおならした!」とびっくりしていました。それが20年以上経った今ではすっかり牧場の主。牛のお産の時も「痛かろう、ごめんねー」と母牛を気遣いながら子牛を引っ張り出している。自分も経験したことだから母牛の気持ちになれるし、わが子を育てるようにきめ細やかな心配りで牛たちの世話もできる。男たち曰く「自分たちは女のごと気がまわらんもんね」。どこのお嫁さんも最初はうちの義姉と同じような状態だったと思いますが、今では牛たちの立派なお母さんです。

夫婦、親子、家族が仲がいいと

なぜか牛もうまく育つのです。

「お母さんは一家の太陽」とよく言われますが、農家でも女性たちが生き生きと笑顔で牛の世話をしているところは、夫婦、じいちゃんばあちゃん、そして孫たちもみんな仲がいい。家庭が円満だと仕事もうまくいく。家族が支え合う愛情豊かな農家では、何故だかいい牛が育つのです。「佐賀牛」や「佐賀産和牛」など人気のブランド牛を育てるにはそれなりの高い肥育技術と牛への愛情が必要ですが、それも母さんの笑顔という裏打ちあってこそ。盆も正月も日曜も祭日もないけれど、やっぱりみんな牛が好きなのです。私の大好きな清美姉ちゃんは「自分の朝ごはんより、牛の朝ごはんやもんね」と。私も義姉も子ども達が育ち、まだまだ今からだけど老後は、ゆっくりしたいのではなく、「ゆっくり牛飼いがしたいよね」と語り合う二人です。おかしいですね。

木場和代

「たかちゃん、よ~頑張るね。無理しなさんなよ~」と、私たちをさらに発奮させてくれるようなやさしい言葉をかけてくれる和代さんです。

中山園子

二十歳の長男が後継者宣言をしてくれて「大変な苦労をするだろうが、それでもやっぱりうれしい!」ととっても喜んでいるうちの義姉です。

中山清美

私が買い付けのために枝肉のセリ市に行くたびに「うちの牛はどやんだった?」と電話してくる清美姉ちゃん。やっぱり牛の“結果”が気になります。


 

◀︎岡本亜沙美

嫁いでいきなり100頭の牛の種付けからお産、子牛の世話まで任されてしまった亜沙美ちゃん。「ようやりよる」とお義父さん(私のおじ)が感心してますよ。


◀︎池田安奈

実家も畜産農家で「まさか、同じ畜産農家に嫁いで来るとは…」と自分でビックリの安奈ちゃん。牛が好きだから?いやいや、ダンナに惚れたんだよね。



農家の思いがないと

牛はただのモノになってしまう。

今秋から新たに同じ玄海・唐津地区で育てた仲間の牛の取り扱いを開始しました。今後は中山牧場の精肉加工の経験など様々な情報を農家で共有して牛の肥育に役立てていくつもりです。その点、みんなコミュニケーション能力は高いので、チームワークもばっちり! 牛はモノではなく生きものですから、愛情をかければかけただけ、それに応えてくれます。私たち畜産農家は牛に養われているという感謝の気持ちをも持って、いい牛たちを育て、そしてみなさまに美味しいお肉をお届けできますよう、これからも頑張ってまいります。応援どうぞよろしくお願いしますね。

〈2015年 冬〉



Vol.30<2024年 冬> 佐賀牛の歴史を受け継ぎ、繋ぐ これからも

Vol.29<2024年 夏> これからもっと、佐賀生まれ、佐賀育ち

Vol.28<2023年 冬> 玄海町の「SDGsの目標7」の取り組み

Vol.27<2023年 夏> 子育て真っ盛りの若手スタッフも増えてきました。

Vol.26<2022年 冬> 通信でお伝えしたいのはありのままの中山牧場です。

Vol.25<2022年 夏> 将来の牛飼いを夢見て、若い夫婦が玄海町にやって来ました。

Vol.24<2021年 冬> 飲食店の元気は、社会の活力です。

Vol.23<2021年 夏> 今春から新たな事業にもチャレンジです

Vol.22<2020年 冬> 私たちの玄海町にも「地域おこし協力隊員」と「素敵な家族」が来た!!

Vol.21<2020年 夏> 出来ることを一生懸命

Vol.20<2019年 冬> 私たちは、ブランド和牛である『佐賀牛・佐賀産和牛』を厳選してお届けします。

Vol.19<2019年 夏> 繁殖から肥育まで。牛たちを無事に出荷できるのも地元の協力あってこそ!

Vol.18<2018年 冬> 和牛をおいしく楽しく堪能!

Vol.17<2018年 夏> おかげさまで 中山牧場50周年、食肉販売部門20周年

Vol.16<2017年 冬> お肉のことを知れば知るほど、選び方や味わい方、たのしみ方がひろがります。

Vol.15<2017年 夏> 唐津・玄海育ちの「佐賀牛」冊子を製作しました。

Vol.14<2016年 冬> 「町のお肉屋さんを目指して!」肉の中山牧場呼子店オープン

Vol.13<2016年 夏> 「ふるさと納税」佐賀牛大変ご好評いただいてます!

Vol.12<2015年 冬> 牛の世話は母ちゃんにおまかせ!だって子育てと一緒やもん。

Vol.11<2015年 夏> 中山牧場の基礎を築いてくれた両親。

Vol.10<2014年 冬> おかげさまで、佐賀牛ブランド30周年。

Vol.9 <2014年 夏> フレー!フレー!「八重山郷里」日本初の子牛ブランド誕生。

Vol.8 <2013年 冬> 中山牧場「ひとりで楽チン!」シリーズ。第一弾完成!

Vol.7 <2013年 夏> 玄海町は修学旅行生の民泊・体験学習を受け入れ中!

Vol.6 <2012年 冬> 「和牛のオリンピック」に佐賀県代表選抜出品されました!

Vol.5 <2012年 夏> 中山牧場を『堪能できる』お店をご紹介します。

Vol.4 <2011年 夏> 石垣島は人も自然も最高! 中山牧場のスタッフ、只今奮闘中。

Vol.3 <2010年 冬> 牧場で育てた牛、その中でこれは!という牛をせり落とす。

Vol.2 <2010年 夏> うちの牧場では繁殖も行っているんですよ。

Vol.1 <2009年 冬> 秋の藁寄せは、一年のビッグイベント!