Vol.30

佐賀牛の歴史を 受け継ぎ、繋ぐ これからも

幾多の困難を乗り越え、「佐賀牛」の基礎を築いた先代たち

佐賀県北西部、玄海灘に臨むわが唐津・玄海地区の黒毛和牛の飼育頭数は佐賀県全体の約5割を占め、「佐賀牛」の主要産地となっています。この地区における牛飼いのパイオニアであるわが父親世代は、オイルショックやBSE問題など幾多の困難を乗り越えながら、神戸牛や但馬牛など歴史のあるブランド牛にも負けない肉質や旨味を作り上げ、ブランド牛「佐賀牛」の基礎を築き上げてくれました。今やその名は全国に、そして海外進出も展開中です。先輩牛飼いの一人ひとりの努力の積み重ねのおかげで大きな夢を持って畜産の世界に飛び込んできてくれる後継者たちに繋ぐことができています。 

二代目、三代目に次の歴史を繋ぐ

嬉しいことに、先輩牛飼いたちが作り上げた「佐賀牛」ブランドに甘えることなく、牛をただのモノとしてではなく、お客様から選ばれる価値を提供しようという後継者たちが増えてきました。「佐賀牛」は美味しいだけじゃない、私たち唐津・玄海の牛飼いの「あり方」もあわせて、お客様にいいねと応援していただけるブランド牛に成長させようとしています。今の二代目、三代目の彼らの後ろ姿を見て、次の世代の後継者や新規就農者が夢をもって畜産の世界で活躍し、次の50年、60年とさらに「佐賀牛」が皆さまに愛される歴史を綴っていくことを期待しています。 皆さまのご支援のおかげで「佐賀牛」40周年を迎えました。ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。         中山牧場 中山敬子



唐津・玄海地区は、佐賀県内でも黒毛和牛の飼育が盛んな地域です。

「佐賀牛」の主要な産地として広く知られ、全国的にも高い評価を受けています。


肥育農家の技術や愛情によって育まれ肉質の改良や肥育技術で「佐賀牛」の発生率は年々向上、より旨味と甘みのある「佐賀牛」を出荷しています。

一人でも二人でも「佐賀牛ブランド」を守り繋げる人を減らさず増やすという課題を抱えて、地域全体でより畜産がやりやすい仕組み作りに取り組んでいます。



豊かな香りと旨味が特長の黒毛和牛なかでもトップレベルの「佐賀牛」です。 現在、全国には200種類以上のブランド牛肉があるといわれていますが、その数あるブランド牛肉の中でも「佐賀牛」は、「仙台牛」に次ぐ全国でも2番目に格付け基準の厳しいブランド牛肉です。

 

※1 肉質等級は4つの要素(脂肪交雑BMS・脂肪の色つやと質・肉の色つや・肉のしまりおよびきめ)で構成される。 

※2 肉質等級が「5」~「1」にわたっているブランドは、格付けによる規定を設けていない。



次の歴史をつくる

若手後継者の思い

唐津、畜産農家二代目 

中山 照英

生後3ヶ月の時から牛舎に通い、小学一年生の時には父の仕事している姿に憧れ自分も牛飼いしたいって言ってましたね。経営を学ぶために商業高校に、農業大学校で畜産を学び卒業して今年、牛飼いになりました。うちはまだ規模が小さく従業員がいないので、休みはほぼゼロ、藁取りの時期は徹夜続きと大変な仕事だけど父は弱音を一切はかないし毎日すごく楽しそうに仕事をしている。自分は、これから一頭一頭の質を高め父が出してる結果以下にならないようにしていきたいです。

玄海、畜産農家三代目 

中山 駿

朝が早い、匂いがする、汚いと敬遠されがちな畜産のイメージを払拭する機械化など働きやすい経営スタイルに変わってきています。就農から7年目、頑張れば頑張っただけの成果が出せる畜産業の面白さを実感しているところです。自分たちが後を継ぐ時代には、地元の畜産経営者が今の半分以下になっていると予想されていますが、ここ数年、若手後継者の参入が無かったのですが、やっと年下の仲間が増え楽しくなっているところです。40周年の歴史を作ってくれた先輩方の思いを繋ぐためにも畜産の魅力を感じてもらえる仕事をしていきたいと思います。

玄海、畜産農家三代目  

木場 涼介

今年3月、食肉学校を卒業して就農。肥育農家の仕事は子牛を買って出荷するまでが仕事、その先のことを知らなかったんですが、肉のことをもっと知りたいと食肉学校に入学。学ぶ中で工場で牛が屠殺されるところを見て、もっと大事に肥育してあげたいなという気持ちになりました。肉屋さんに求められる肉をどう作るかを考え世話をするようにもなりました。今、佐賀牛があるのは先輩たちのおかげ自分たちが守り繋げてもっと多くの人たちに佐賀牛を知ってもらいたいと思っています。



Vol.30<2024年 冬> 佐賀牛の歴史を受け継ぎ、繋ぐ これからも

Vol.29<2024年 夏> これからもっと、佐賀生まれ、佐賀育ち

Vol.28<2023年 冬> 玄海町の「SDGsの目標7」の取り組み

Vol.27<2023年 夏> 子育て真っ盛りの若手スタッフも増えてきました。

Vol.26<2022年 冬> 通信でお伝えしたいのはありのままの中山牧場です。

Vol.25<2022年 夏> 将来の牛飼いを夢見て、若い夫婦が玄海町にやって来ました。

Vol.24<2021年 冬> 飲食店の元気は、社会の活力です。

Vol.23<2021年 夏> 今春から新たな事業にもチャレンジです

Vol.22<2020年 冬> 私たちの玄海町にも「地域おこし協力隊員」と「素敵な家族」が来た!!

Vol.21<2020年 夏> 出来ることを一生懸命

Vol.20<2019年 冬> 私たちは、ブランド和牛である『佐賀牛・佐賀産和牛』を厳選してお届けします。

Vol.19<2019年 夏> 繁殖から肥育まで。牛たちを無事に出荷できるのも地元の協力あってこそ!

Vol.18<2018年 冬> 和牛をおいしく楽しく堪能!

Vol.17<2018年 夏> おかげさまで 中山牧場50周年、食肉販売部門20周年

Vol.16<2017年 冬> お肉のことを知れば知るほど、選び方や味わい方、たのしみ方がひろがります。

Vol.15<2017年 夏> 唐津・玄海育ちの「佐賀牛」冊子を製作しました。

Vol.14<2016年 冬> 「町のお肉屋さんを目指して!」肉の中山牧場呼子店オープン

Vol.13<2016年 夏> 「ふるさと納税」佐賀牛大変ご好評いただいてます!

Vol.12<2015年 冬> 牛の世話は母ちゃんにおまかせ!だって子育てと一緒やもん。

Vol.11<2015年 夏> 中山牧場の基礎を築いてくれた両親。

Vol.10<2014年 冬> おかげさまで、佐賀牛ブランド30周年。

Vol.9 <2014年 夏> フレー!フレー!「八重山郷里」日本初の子牛ブランド誕生。

Vol.8 <2013年 冬> 中山牧場「ひとりで楽チン!」シリーズ。第一弾完成!

Vol.7 <2013年 夏> 玄海町は修学旅行生の民泊・体験学習を受け入れ中!

Vol.6 <2012年 冬> 「和牛のオリンピック」に佐賀県代表選抜出品されました!

Vol.5 <2012年 夏> 中山牧場を『堪能できる』お店をご紹介します。

Vol.4 <2011年 夏> 石垣島は人も自然も最高! 中山牧場のスタッフ、只今奮闘中。

Vol.3 <2010年 冬> 牧場で育てた牛、その中でこれは!という牛をせり落とす。

Vol.2 <2010年 夏> うちの牧場では繁殖も行っているんですよ。

Vol.1 <2009年 冬> 秋の藁寄せは、一年のビッグイベント!